国分三蔵
国分三蔵（こくぶの さんぞう、別名・勝沼三蔵、文政元年（1818)～明治２年（1869)、本名・矢崎三造）は幕末の侠客、博徒、目明し。甲州博徒。
略歴
- 甲斐国山梨郡勝沼村（甲州市勝沼町）ないしは国分村（甲州市一宮町）の人。
- 国分村の木村三之丞の子に生まれたとされる。三之丞は小田原城主大久保加賀の家臣を由緒とする名家を出自としていたが、帰農し百姓を営んでいた。
- 三之丞が早くに亡くなり、その後妻も他の男と駈け落ちして三蔵は伯父の元に預けられることとなる。
しかし、三蔵もやがてそこを飛び出し、流浪の末、武州と上州の境で川俣熊五郎という親分に拾われる。
- 熊五郎の元で任侠の修行に励み、ある時、熊五郎と日光の為蔵の喧嘩が起きた際、三蔵は為蔵を討ち取るという功績を立て名を挙げた。
- その後、偶然老母と再会した三蔵は熊五郎の元を辞し、甲州国分村へ戻って博徒親分として売り出したと言う。
- 甲府柳町の三井卯吉を親分と仰いだ。兄弟分には祐天仙之助、義弟分に御殿伝蔵がいる。
- 文久２年（1862)祐天仙之助、犬上郡次郎、さらに信州目明しの岡田滝蔵とともに竹居安五郎を捕えた。
- 黒駒勝蔵とは何度も抗争を繰り返し、元治元年（1864)には勝蔵の襲撃を受けたが、住居（通称・三蔵屋敷）の防備を固め、調達した鉄砲によりこれを撃退した。
- 同年清水次郎長に救援を求め、冬中関東綱五郎らを迎え勝蔵と対峙した。
- 甲州市勝沼町の慶専寺に墓碑があり、命日は明治２年４月２１日と刻まれている。
- 子分であった古屋留吉?の証言によれば、虫けらですら殺さない温和な性格で「仏の三蔵」と呼ばれたと言い、またながらく地元には「人を善くする親分」との伝承があった。
- 子分に古屋留吉?、千米村源吉?、同三四郎、等々力村平蔵、同喜太郎、勝沼村佐吉、綿塚村駒吉、三日市場村常四郎、北野呂村勝蔵、山中村徳四郎、朝日村利平、信州塩尻村土屋駒吉?、同木村与三郎などが居た（墓碑に刻まれた人名に拠る）。
- 高萩万次郎と同一人物という説もあったが、今日では否定されている。
- 死に様は今のところ不明であるが、里伝には金川河原、あるいは天目山で黒駒勝蔵子分に殺されたとも言われる。
- 墓所は甲州市勝沼町等々力の慶専寺
検索用
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