暴力団
暴力団(ぼうりょくだん)は、暴力あるいは暴力的脅迫によって自己の私的な目的を達しようとする反社会的集団。
「暴力団」とは警察が名付けた名称であるが、第二次世界大戦後、マスメディアを通じて一般の間でもその名称で認知されるようになった。
日本を活動の中心地とし、その構成員は主に「組員、構成員、暴力団員」などと称され、日本国外においても「YAKUZA」(ヤクザ)として知られている。合法的な企業などを傘下に組織することもある。
概要
- 「暴力団」は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴力団対策法)により法的な定義を与えられている。
すなわち「その団体の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」。
通常は「ヤクザ」と同義であるが、テレビや新聞などのメディアでも「ヤクザ」という語の使用は避けられ、「暴力団」の語が用いられている。
- 暴力団は従来からの賭博を資金源とする博徒と露天商を資金源とする的屋に、昭和20年代の戦後の日本社会の混乱期に発生した暴力集団である愚連隊が加わり発生した。
ヒロポンの密売など、利害関係の対立から離合集散を繰り返したが、昭和30年代には一括して「暴力団」と呼称することが定着した。
- 社会的には「暴力団構成員または組員」と呼ばれるが、そのほかヤクザ、極道、任侠、渡世人、本職など、末端の構成員はチンピラ、三下などと呼ばれる。
- 都道府県公安委員会は、暴力団のうち暴力団対策法第3条に定める3つの要件の全てに該当する団体を、当該団体の関係者から意見聴聞を経た上で「その暴力団員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長する恐れが大きい暴力団」と指定し、これを「指定暴力団」と呼ぶ。
- 2013年(平成25年)3月、新たに「準暴力団」という規定も設けられた。
- 2023年(令和5年)7月、警察庁が従来の犯罪組織とは異なる集団の台頭や、ネット犯罪など社会の変化に対応するため組織改革に乗り出し、暴対法改正や暴排条例で暴力団が縮小する中、特殊詐欺などで暗躍するピラミッド構造を持たない準暴力団(通称・半グレ)らを、実態に合わせてより広い概念の「匿名・流動型犯罪グループ」と新たに定義した。
警察庁は「闇バイト」や「特殊詐欺」で暗躍し、離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」について、47都道府県警の規模や地域性に応じて専従の係や班、担当を置き実態解明を開始した。
組織名
- 暴力団自身は自らの組織名として、創設者の姓名、発祥地や拠点とする地名などに「組」「会」「一家」「連合」「連合会」「興業」「総業」などを添えて名乗る場合が多い。
- 江戸時代からほとんどの団体は親から継いだ「一家」を冠し、傘下に「組」を冠する団体を置いていた。
- 明治から昭和にかけて複数の一家が集まった「会」などが現れた。現在も「会」の傘下に「一家」を置き、さらにその傘下に「組」や「興業」を置く団体が多い。
- 傘下団体は、企業や右翼団体、NPO法人のような組織名を掲げ、一般的な団体を装って資金獲得活動をすることもある。
組織構造
- 日本のヤクザは、親分(組長)に対し、弟分と子分が絶対的に服従する家父長制を模した序列的・擬制的血縁関係を構築する。盃事と呼ばれる儀式を経ることにより、強い絆を築き、強固な結束を確実なものにする。
組員は、組長から見て弟分(舎弟)と子分の2つに大別され、子分から見た叔父にあたる舎弟は序列は上となるが、跡目継承権は子分が上になる。
- 組長と組員のみの組織を一次団体と呼び、一次団体組員が自らを組長とした下部団体は二次団体と呼ばれる。
二次団体組員が自ら組長となる下部団体は三次団体と呼び、これを繰り返すことによって暴力団はピラミッド型の階層構造を形成する。
- 各階層の暴力団組織においても厳格に上下関係があり、「分違い」「貫目」の違いによって上下的な関係がきまり、兄弟盃(的屋系暴力団では義兄弟盃)と言われる盃事によって兄弟分となる。
- 組長(親)が引退・死亡した場合などには、基本的に組員(子分)の中から新たな組長が決められ、若頭(長男)が選ばれる場合が多い。
- 新たな組長(親)が就任すると、他の組員との間で「盃直し」と呼ばれる儀式が行われ、新たな序列に基づく擬制的血縁関係が再構築される。
先代組長が跡目を指名しなかった場合には、組員同士の話し合いや入れ札(投票)で決められる。
資金獲得活動と組織内の金の流れ
- 暴力団は企業のような給与はなく、入り立ての時期に組長の家などに住み込んで雑務を行う「部屋住み」の時に組長や兄貴分から貰える小遣いを除けば、各組員は自分自身で生活資金を含めた金を稼がなければならない。
- 親分・子分の関係は、建前上「食うや食わずの若者に渡世を教える」となっていて、部屋住みの時期に親分や兄貴分から「シノギ」と呼ばれる資金獲得の手段を学ぶ。
- 一方で、組織は親孝行として「子が親を養う」の建前のもと、組員が組織の代紋や名前を使用してシノギをする対価として、組員から一定額の会費を上納させ運営経費に充てる。また、義理掛けなどの慶弔費などは、これとは別に徴収される。
- 各組織ごとに企業舎弟や顧問先などをもち、そこで得られた利益も上納金として上部組織に納められるようになっている。近年では高額な会報や上部組織の関連企業が扱う各種備品の購入を強要されることもあり、度重なる上納金の強要が組織内の対立と分裂の要因ともなっている。
- 「シノギ」では、みかじめ料徴収などの恐喝行為、意に沿わない者や建造物等に対する放火や銃撃、売春の斡旋、覚醒剤や麻薬などの違法薬物取引、強盗、窃盗、賭博開帳、誘拐による身代金、闇金融、総会屋などの非合法な経済活動、何らかの理由で公に出来ない交渉事の請け負いや介入などを行うことが多いが、法と条例の規制によりシノギが難しくなったことによる組員の困窮化と犯罪の巧妙化、悪質化が問題となっている。
- シノギでの失態や掟破りに対する組織内での制裁は、指詰めから除籍、破門、絶縁、所払いに至るまで多岐に渡る。
構成員と準構成員
- 暴力団のメンバーを指す語として、「暴力団員」「構成員」「組員」などがあり、いずれも同じ意味合いを持つ。
一方で、組に所属してはいないが組との関係を有し、組員と似たようなこと、あるいは組のスポンサーのようなことを行う者を「準構成員」という。
警察庁の定義では、準構成員とは「構成員ではないが、暴力団と関係を持ちながら、その組織の威力を背景として暴力的不法行為等を行う者、または暴力団に資金や武器を供給するなどして、その組織の維持、運営に協力もしくは関与する者」となる。
また、警察用語では「暴力団関係者」を指す者として、準構成員よりもさらに暴力団と距離を置く「共生者」などがある。
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