竹聯幇
竹聯幇(竹連幇 ちくれんほう、ジュリェンパン)は、台湾台北市を拠点とする黒社会組織の一つ。
概要
- 四海幇、天道盟と並ぶ、台湾の三大黒社会組織の一角。
- 台湾全域及び国外にも拠点を有し主要構成員数は約1万5千人、末端までの総数は10万人と言われている。
略歴
- 竹聨幇は1953年頃、孫徳培が現在の新北市中和、永和一帯で組織した中和幇をその起源とする。中和幇は勢力を拡大し中和、永和、板橋一帯を勢力下に置いた。
- 1955年、孫徳培が古亭(現在の台北市大安区)の本省掛の角頭を殺害、逮捕される事件が発生すると、中和幇は内部分裂を起こした。
- その後中和幇の幹部構成員であった趙寧を中心に中和郷竹林路(現在の新北市永和区)で会議を開催、善後策を検討した。
その結果、幇主である孫徳培が逮捕されたが、幇主と幹部構成員の平等を尊重するために新しい幇主を設けないことを確認、あわせて中和幇を竹林連盟(通称・竹連幇)とすることを決定した。
- 1962年、四海幇が台湾当局の取締りにより解散、四海幇の地盤を奪取し、この抗争の中で陳啓礼が組織の中で頭角を現し始めた。
- 1965年、当時、竹聯幇の構成員は500人を超え、他の黒社会の勢力範囲を併呑するなど急速に拡大し「天下第一幇」と称された。
- 1968年4月、竹聯幇は陽明山で会議を開催し、勢力拡大に伴う組織変更を行っている。
- 1970年7月、構成員の陳仁が組織の資金を横領し逃亡、更に警察への保護を求めた。
この事件は、組織内部の不満を引き起こし、張如虹とその他2名により陳仁を警察官の面前で殺害する事件に発展した。
陳仁殺害は台湾社会に大きな衝撃を与え、背後で殺害を指揮した陳啓礼は逮捕され懲役6年の判決を受けた。
- 1972年、陳啓礼が逮捕収監されたことで組織の衰退を迎えた竹聯幇であるが、幹部構成員の支持を取り付けた張安楽により竹聯幇再興に乗り出した。
当時総護法(理事長)であった張安楽は組織の制度化を推進し、若い構成員を抜擢し側近とした。
しかし、竹聯幇内部での抗争は依然続き、旧派の周榕派の反発を受け失望した張安楽は1975年にアメリカに渡っている。
- 1976年、出獄した陳啓礼は竹聯幇再編を目指し、周榕派との内部抗争が続いたが、周榕派は次第に陳啓礼に帰順し、周榕派勢力の切り崩しに成功する。
- 竹聯幇の実権を掌握した陳啓礼は初代幇主に就任、更なる勢力拡大を実現した。
- 1984年、陳啓礼体制で急速に発展した竹聯幇であるが、その利権を巡り堂口間での内部抗争が繰り広げられた。
- 同年6月、四海幇は、竹聯幇に奪われた地盤を回復すべく、黄埔幇?と共に竹聯幇との間で武力抗争を繰り広げた。
この抗争の過程で、両者は台湾の株式市場での経済戦を展開、台湾の株式市場は混乱し、両者は不当な株式利益を獲得している。
この金融市場への介入が台湾政府の注目するところとなり、警察による調査が開始している。
- 同年10月15日、江南事件が発生すると、台湾当局は全国で黒社会壊滅運動を展開、竹聯幇でも多くの幹部構成員が逮捕され、陳啓礼も無期懲役(後に懲役15年に減刑)された。
- 江南事件は蒋経国伝を記したアメリカ在住の台湾系アメリカ人・劉宜良の暗殺を行った事件。暗殺事件が発覚しアメリカ政府は中華民国政府に圧力をかけ、台湾民主化のきっかけになったといわれている。
- 1988年までに台湾政府は300名の黒社会構成員の保釈を発表、ここに竹聯幇再興の要因が整うこととなった。
- 幇主となっていた黄少岑は当局の取締りを避けるために台湾を離れ中国に進出、現地での勢力拡大を行っている。
- 幇主不在の竹聯幇は、幹部構成員の推挙により趙爾文が幫主(代行とも言われる。詳細不明)となり活動を続け、構成員総数10万人の台湾最大の黒社会組織と成長した。
- 近年、中国共産党による一国二制度を台湾にも適応することを主張する政党、中華統一促進党との関係が指摘されている。
- 正式な交流には至っていないが、沖縄の旭琉會と関わりを持つ。
- 2022年5月7日、警察庁警備当局が旭琉會と竹聯幇が関係を深めていることから、動向を注視、背後には香港、マカオ、台湾などへの情報工作を担当する中国共産党国家安全局第4局の存在があるとしている。
「中国政府は民間資本だけでなく、反社会的勢力のルートも駆使し、沖縄に足掛かりを築こうとしている可能性が高い」とみている。
歴代幇主
初 代 - 陳啓礼(1968年~1995年)
二代目 - 黄少岑(1995年~今まで)
代 行 - 趙爾文(2001年~2007年)
代 行 - 李宗奎(2002年~2004年)
代 行 - 胡台冨(2004年~2007年)
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