金子政吉
金子政吉（かねこ まさきち、通称・佃政（つくまさ）、1857年 - 1934年3月9日）は明治の侠客、博徒、業家、政治家、社会運動家。佃政一家初代。関東國粹会顧問。
人物
- 通称「佃政」として知られ、明治・大正期の東京および横浜において地域社会、金融業界、宗教界に強い影響を及ぼした人物。
- 横浜市会議長、横浜貿易銀行頭取、帝都信用金庫理事長などを歴任し、その活動は都市から墓地の移転まで幅広く計画及んだ。
- 築地本願寺の総代を務め、築地本願寺に分院として和田堀廟所を建てた。
築地本願寺の門前に現存する金子家は、歴史的な建築物として現代まで保存されている。
- 当時の新聞では、佃島の生神様とも崇められた人物。
- 金子政吉は単なる地域の親分ではなく、政治、経済、宗教、福祉を横断的に繋ぎ、災害復興や都市再編に実務家として深く関与し、多方面で地域社会に貢献した人物で、金子政吉の活動は、昭和の政治経済史において、現在も地域の歴史に刻まれている。
略歴
- 1857年（安政4年）8月12日、江戸・京橋の佃島に生まれる。
- 成長とともに魚市場（並行魚河岸）を拠点に地域内で台頭。
- 佃政という通称は屋号で、徳川家康の入府時に佃島に移住した人にのみが「佃◯」という屋号を名乗っている。金子政吉は佃島でしじみを売っていた。
- 1907年（明治40年）から横浜市政に関わり、1910年（明治43年）から1914年（大正3年）まで横浜市会議長を務め、都市のインフラ整備や都市開発に尽力した。
- その後、横浜銀行貿易の頭取および横浜貿易倉庫株式会社の監査役として、経済界でも確固たる地位を築く。
- 帝都信用金庫（現・城北信用金庫系統）理事長時代には、西本願寺との密接な関係を友好京都に支店を設立、宗教法人の預金を吸収する手腕を見せた。
- 関東大震災の時には、住民を指揮して佃島を火災から守るなど、地域の安全と復興に尽力した。
- 震災で焼失した築地本願寺墓地の移転では、杉並区和田堀への移転交渉を主導。
移転先では佃島の住民たちの新たな生活基盤づくりも支援し、地域ごとに移行させるという当然の「大移動」を敢行した。
また、福祉分野でも活躍し、東京市立築地病院に20万円（現代価値で数億円相当）を寄付する慈善にも精力的に活動した。
- 1934年（昭和9年）、死去。享年77年。墓所は東京都杉並区和田堀の築地本願寺楼廟所。
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