坂上松五郎
坂上松五郎(さかがみ まつごろう)は日本の香具師。横浜桝屋一家坂上初代。大日本神農会相談役。
略歴
- 万延2年1月19日、元武士で品川で町医を開業していた坂上松見の長男として生まれる。
- 坂上家の菩提寺である小石川の伝通院に預けられ、16、17歳のとき住職の世話で日本橋人形町の人形問屋「久月」に弟子入した。久月の斡旋で横浜に行き、鳥類の羽を輸出する商館に入り、いつ知らず「羽根松」という異名がつけられた。
- 興行師・東山初五郎と出会い弟分となる。
東山初五郎の屋号は「仏光枡屋」という桝屋系統で、燥谷桝屋の宇佐美辰之助(霊岸島桝屋・宇佐美謹弥の実父)とも兄弟分になった。
- 坂上松五郎はいつ知らず、香具師仲間で押しも押されもせぬ存在になり、頼ってくる者の面倒をよく見ることで、期せずして一家の親分とのし上がっていた。
はじめは伊勢崎町通り、賑町1丁目に雑貨の店を持ち、羽二重、絹袖の問屋としても多くの露店、床店の売子を抱えていた。
バイの上手さでは閑古鳥の啼く大タカでも、坂上松五郎が来れば人が押し寄せたほどの達人で、その口上の妙味に女性が1日中、聞き惚れたというぐらいの名人だった。
- 根っからのテキヤあがりだが、腕っぷしも強かったという。
- 桝屋一家、西海家一家、その他多くの一家で構成される「御供講社」のトップでもあった。
- 三階松は坂上松五郎の流れを汲む。
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