伊那勘太郎
伊那勘太郎(いなの かんたろう)は幕末の博徒、侠客。
略歴
- 勘太郎は文化の頃伊那に生まれる謂れあり幼少にして父とともに江戸に上る長ずに及び任侠の世界に身を投ず時天保年間国定忠治に従う然るに忠治の処世に疑問を持つに至り訣別して生地伊那に帰る爾来天竜に筏み林業に励む傍ら下流飯田方面勤王の士に交友す。
- たまたま水戸天狗党の盟王藤田小四郎大参謀武田耕雲斎等討幕を目指して西下の途次伊那に入る時元治元年勘太郎王政復古こそ救国の大道なりと信じ敢然一行に加わり加賀に至る耕雲斎武運拙く遂に斬らるるに及び志半ばにして再び伊那に帰り余生を孝子節婦の訓育に勉め六十余歳を以ってこの地に没す。